トヨタの危機管理から学ぶこと【第一博愛】

K山愛施設長が教えてくれたPRESIDENT Onlineニュースの一部

「異常の顕在化」というワードに反省&共感!

そして、文中に異常に出てくる異常という言葉を、利用者支援の現場における「ほんの小さな利用者さんのいつもと違う様子」「不適切な支援」「忘れられているサービス提供」等に置き換えて読み直してみたら…


 

不良品を出さないために徹底していること

 

 トヨタの生産現場ではライン際にいる作業者が異常を発見したら関係者に知らせるために「アンドン(電光表示板)」を表示させる。上司がやってきて、その場で解決するか、できない時はラインを止める。いったん、ラインを止めたら、原因がわかるまでは動かさない。
 これは従来の自動車工場では考えられないことだった。アメリカのビッグ3では現場のワーカーがラインを止めたら、クビになっても仕方がないことだったのである。
 だが、トヨタは不良品を出さないために、作業者がラインを止める権限を持っている。そのためには作業をしながら目を光らせて異常を見つけ、知らせなくてはならない。異常の顕在化を日常の仕事としている。
 多くの会社の人間は異常を顕在化させることを嫌う。自分が仕事をしている間はとにかく平穏無事であってほしいから、異常を見つけたとしても見ないふりをしてしまうことがある。
 だが、トヨタでは1本のねじが緩んでいたとしても、それを見過ごすことはない。床に落ちたねじを使うこともない。ねじが落ちていることは異常だから、どこから落ちたのか、なぜ落ちたのかがわかるまで原因を追究する。小さな異常であれ、異常が残ったまま後の工程に製品を流すことは固く禁じられている。
 平時からの危機管理とは何も危機管理の専門セクションを常設し、多数の人員を張り付けることではない。ふつうの仕事のなかで異常を見つけて顕在化させる企業風土を作ることだ。
(原文のまま)

 

果たして私たちの施設に、直接支援の現場で「異常の顕在化」を日常的に行っているリーダーは何人いるのだろう?

 

その数が多いほど、スタッフ間の緊張感や責任感は高まるが、異常=失敗を繰り返しながらも支援員同士のスキルは向上し(同じミスを繰り返さない率が高まる)、それは利用者さんに対しポジティブな効果をもたらすことに間違いない。